こんにちは、オオサワ創研の伊藤です。
9月6日の水曜日の中国新聞に、「厚生年金パート加入促進」の記事が出ていました。
従業員501人以上という企業規模の要件を撤廃する方向で検討に入ったとのこと。
どれくらいの緩和に落ち着くのかは分かりませんが、厚生年金に加入するパーとが増えていくことになるでしょう。
まず、厚生年金とは?
厚生年金は、民間企業で働く会社員を対象にした公的年金制度です。
原則として25年以上加入していること、満60歳などの条件を満たした場合に受給資格が得られます。
その他にも、「仕事以外の事故」で死亡したり障害を負ってしまったときに、本人や遺族が年金給付を受けることができます。
納めた期間や保険料によってもらえる年金額が変わってくる年金になります。
厚生年金の保険料は、標準報酬月額と標準賞与額に対して、それぞれ保険料率をかけて計算されたものの合計です。
そのうち会社が半分を負担することになっています。
標準報酬月額 x 保険料率 ÷ 2 = 個人負担額
保険料率は少しずつ引き上げられ、18.30%で固定すると年金改正で決まっています。
パートが加入する要件は?
501人以上いる大企業では、記事にもあるように週20時間以上で賃金が8.8万円以上などが要件となっています。
従業員数が500人以下の企業では、現在、
「1日または1週間の働く時間数」と「1ヶ月のうち働く日数」の両方が従業員のおおむね4分の3以上である場合に、加入義務があります。
続いて、厚生年金に加入した場合はどれだけ負担が増えるのか確認してみます。
月々の負担額は?
さて、今回の対象となっているパートで考えてみます。
20歳、年収108万円(月額9万円)で考えてみると、
まず標準補修月額表から、標準報酬月額は88,000円となります。
88,000円 x 18.30% ÷ 2 = 8,052円
会社で厚生年金に加入する場合には、健康保険もセットで入ることになり、給料からは厚生年金だけでなく健康保険などの保険料も天引きされることになります。
健康保険料の計算式は、
標準報酬月額 x 保険料率(広島:10.00%)
介護保険料(40歳以上)や子ども・子育て拠出金(企業負担0.34%)は省きます。
88,000円 x 10.00% ÷ 2 = 4,400円
月々の負担は、合計すると12,452円となり、その分手取りが減ってしまうことが分かります。
将来どれくらいもらえる?
先ほどのパートが同条件のまま40年間働いたとすると
平均標準報酬額 x 乗数 x 勤務月数
88,000円 x 0.5481% x 480ヶ月 = 231,517円/年
月額にすると 約19,293円です。
若いうちに納めた金額よりもちょっと多い金額がもらえる計算になりました。
もちろん、これからの年金改正により計算式が変わってくることもあると思いますので、あくまでも目安としてお考え下さい。
まとめ
厚生年金は、国民年金に上乗せされる形で老後に帰ってきます。
とはいえ、家を買う、車を買う、子育てをするなど、現役世代がお金を一番必要とするのも確かです。
そのため、年金を納めずに使えるお金が増えるのはメリットだと思います。
若い世代は特に、老後のことは正直まだよく見えていないため、老後が大変だよ(デメリット)と言ってもなかなか実感がわきにくいでしょう。
どちらが正解かは分かりませんが、保険料を払うとしたらどれくらいなのか、など現状を知った上で選択していけたらいいなと思います。
また、加入要件が緩和されれば、対象となるパートの数も増え、保険料の半分を負う企業の負担も増えていきます。
企業の支援策も検討されているようなので、ニュースなどに注目しておきたいと思います。
以上、オオサワ創研の伊藤でした。